布製型枠工法の特長

施工性

  1. 現場に合わせた形状に工場で加工されたマットを使用するため、従来の現場打ちコンクリートやプレキャストブロック工と比べて、少人数・短時間で施工が可能です。
橋梁下部における布製型枠の施工
  1. 注入前の布製型枠は軽量※なため、人力で運搬できます。大型重機を必要とせず、施工時の安全性を改善できます。

※マット乾燥重量(ノンフィルター型10cm厚):1㎡あたり約700g

布製型枠を用いた急勾配の山腹水路工の施工状況
  1. ポンプによる加圧注入方式のため、斜面・平坦部を問わず、広範囲の施工が少人数で可能です。
布製型枠の広範囲の施工状況
  1. 水中施工が可能なため、切替え工事や止水工事が不要となり、工期短縮と高い経済性が期待できます。

水中施工の事例はこちらから

布製型枠の水中施工
  1. 勾配が異なる複雑な地形にもよくなじみ、法面保護工として均一な厚みを確保できます。
複雑な地形にも追従する布製型枠

現場加工により、水抜きパイプの設置が可能です。
電柱、樹木等の構造物との取り合いも柔軟に対応可能です。

布製型枠に水抜きパイプ加工を施したもの

経済性

  1. 広範囲を少人数で施工できるため、工期を大幅に短縮でき、経済性にも優れます※。

※平ブロック張工と比較して24.81%の経済性向上、83.97%の工程短縮(NETIS公開資料より)

補強盛土上における長大断面の施工状況

【会計検査院 平成25年度決算検査報告】において「本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項」として布製型枠工法が紹介されました。

(5)ため池改修工事の実施に当たり、法面保護工について、現地の状況等を考慮し、経済比較を行った上で工法を選定することにより、経済的な設計を行うよう改善させたもの | 第3章 | 平成25年度決算検査報告 | 会計検査院

耐久性

  1. 地盤に追随した形状で被覆でき、大面積の被覆工として外力に耐えることができます。

昭和58年に施工された布製型枠工が、28年後の東日本大震災で高さ4~6mの津波を受けた事例です。
大型消波ブロックは津波の影響で移動したと考えられますが、布製型枠工には大きな変状がなく、被災後も護岸として機能し続けています。

東日本大震災前後の布製型枠の被災状況比較
  1. 施工後の布製型枠は、優れた耐火性を備えています。

施工後の布製型枠に対してガソリンを散布し点火する燃焼試験を行った結果、ガソリンが浸透した箇所のみが焼失し、周囲への延焼は認められず、自然鎮火することが確認されました。

実験実施:太陽工業株式会社

布製型枠の燃焼試験の様子

火薬取締法施工規定の一部を改正する省令(令和6年経済産業省令39号)の施工により、施行規則第31条第7号(現第8号)に規定する土堤の崩壊を防止するための措置の一つとして「布製型枠」が例示されました。

「火薬類取締法施行規則の機能性基準の運用について」の一部改正について(経済産業省)

火薬取締法施行規則の機能性基準の運用について 施行規則第31条7号
「火薬類取締法施行規則の機能性基準の運用について」の一部改正について(経済産業省) より引用