越流対策型布製型枠とは
本工法は、河川堤防裏法面の越流時において、粘り強い構造を長期的に確保するための表面被覆型越流対策です。
越流対策型布製型枠と、吸い出し防止および堤体への浸水を防ぐ透気防水シート(ブリーザブルシート)を組み合わせることで、越流水に対する高い安定性を保持する多自然型表面被覆工法です。
基礎工、裏込材、連結が不要で一体化構造であるため、越流水に対して高い安定性を保持できます。
また吸出防止材で包んだ強化繊維カゴ(スーパーかせんカゴ®)をドレーン工として用いることで高い法尻洗堀防止効果を発揮します。
技術開発上の性能目安である越流水深30㎝、越流時間3時間の越水に対する性能は実物大実験にて実証されています。



特長
- 越流対策型布製型枠、透気防水シート、強化繊維カゴは軽量なため人力で運搬、敷設が可能です。
- 越流対策型布製型枠は現地に適したサイズで製作するため、大きな面積の被覆工を形成できます。
- 越流対策型布製型枠は、柔軟な素材であるため、勾配の異なる複雑な斜面にも均一な厚みで、地盤に良く馴染んだ被覆工となります。
- 透気防水シートは防水性と透気性があるため堤体内への雨水および河川水の浸透を抑制し、堤体内の間隙空気圧の上昇も抑制することができます。
- 透気防水シートの接合部は熱風融着にて防水接合が可能です。
「粘り強い河川堤防」に関する技術比較表
(国土交通省)
令和元年東日本台風では、全国で142 箇所の堤防決壊が発生し、このうち122 箇所は「越水」が原因と推定されました。
今後も、気候変動に伴い洪水被害がさらに頻発化・激甚化すること が考えられることから、国土交通省は関係業界団体、民間企業等と連携し、越水に対して「粘り強い河川堤防」の技術開発を進めています。
令和5年3月10日に技術公募を開始し、応募のあった提案技術に対し第三者機関が評価を行い、評価結果が令和6年6月19日に公表されました。これらの技術のうち評価結果がA、Bの技術を対象に技術比較表が公表されています。
「越流対策型布製型枠」は越水に対する性能を有していることが実験結果等で確認され、分類Bと評価されました。
(分類Aは実際の河川における越流に耐えた実績が出来た場合の評価となります。)
越流対策型布製型枠 学会発表論文
土木学会
地盤工学会
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